ブーツの成形(チューニング)について
最近発売されているブーツのインナーの多くは、
熱成形できるものが多くなっています。
DEELUXEのサーモインナー、
HEADのハイブリット・サーモフィットライナー、
SHIMANOのS962LINER、
BURTONのEVAライナー等各ブーツメーカーから、
カスタマイズスタイルのブーツが販売されています。
また、そういったインナーのブーツだけでなく、
従来からあるインナーでもチューニングする、
カスタマイズするということが、当たり前になってきています。
ブーツをカスタマイズするということは、
ブーツを履く側の希望にそって成形するということであり、
より高いフィット性と快適性、技術の向上が狙えるということです。
しかし、ブーツ成形(ブーツチューニング)は、
成形する側(チューニングマン)の技術に左右されるため、
作り手側の技術や知識が未熟だと、
その性能を100%発揮することはできません。
そこでSolemanを指名していただく
プロやユーザーが多くいることは、大変光栄なことです。
インナーの成形について説明させていただきますと、
持ち込みのブーツの場合、
サーモインナーの成形のみというチューニングは受けておりません。
チューニングとはインナーを成形することだけではなく、
インソールやその他の足のトラブルを解消したり、
ご自身のスノーボードスタイルをもとに、
ボードやバインディングのセッテイングまで全てを考えて成形していくということだからです。
ですからインナーだけを成形したからといって、「カスタマイズした」とは言えないと当店では考えています。
また他店で作成したインソールを持込んできて、手直しするということも一切おこなっておりません。
たとえ同じメーカーのインソールを当店が使用していたとしても、
そのインソールを作成する作り手により技術レベルの違いが大きく、作成方法も違います。
ですから当店では他の作り手が作成したインソールを再度使用したり、
手直しをしてチューニングに使用したりすることはできません。
当店でチューニングをご希望の場合は全てを最初からチューニングさせていただきます。
ですから、ボード、バインディング、ソックスをチューニング時に持参していただくということは、
絶対に外せない必要条件なのです。
 
サーモインナーの再成形について
熱で成形するタイプのインナーは、シーズン中フルに使用すると(20~30日くらい)、「へたり」が出てきます。
「へたり」とはインナーがゆるく感じたり(つぶれてくる)、成形時から比べるとインナーがやわらかく感じることです。
この「へたり」は、100%もとの状態にもどすことはできません。
しかし、再度熱を加えてそれに近い状態にもどすことは可能です。
「へたり」は使用によっておこるものですので有料になりますが、
サーモインナーの再成形は当店で購入されたブーツなら¥2.160-で、
持ち込みでも当店でチューニングをしたブーツなら¥5.400-でお受けしています。
ただし、持込みで当店でのチューニングを受けていないブーツに関しては、
上記(インナーの成形について)の理由からサーモインナーの再成形のみは、受付けていません。
またインナー再成形を希望される場合でも予約が必要になります。ご了承ください。
※再成形では再度熱を加えるので、再成形が可能な回数があります。
また年式によっては再成形が不可能なブーツもありますので、ご予約時ご相談下さい。
 
スノーボードソックスについて
ブーツチューニングの際に「スノーボードをするときに履いているソックスを持って来てください。」
と言うと通常のスポーツソックスや、登山用の分厚いソックスを持ってくる方がいます。
またソックスを重ね履きしている人や、
ひどい方になると、普段履いているソックスを持ってくる方がいらっしゃいます。
ソックスの重要性を感じていないお客さまが大変多いのです。
通常のソックスは、綿やポリエステルといった糸で編んであるため、
汗をかいてソックスが湿り、冷えの原因になったり、擦れて低温火傷の原因になります。
また分厚いソックスや重ね履きは足の感覚を鈍くし、コントロール性能を悪くします。
スノーボード用ソックスとして販売されているソックスは(CONFORM'BLE社製やDEELUXE社製)
ウールやカシミヤといった特殊な素材が使われており、
薄くても大変温かく、編み方にも工夫がされているため、普通のソックスとまったく違います。
ブーツをせっかくチューニングしても、ソックスの履き方ひとつで、
そのチューニングも台無しになってしまうのです。
また当店では、ブーツチューニング時に使用したものと同じソックスを滑走時にも履いて頂くようご説明しています。
ソックスの微妙な厚さでサイズが変わってしまうからです。
例えば過去に、こんなお客様もいました。
ブーツチューニング時に、当店でスノーボード用のソックスを履いてチューニングしました。
その後、どうしても足が痛くなると再度来店されました。
ブーツやボードのセッテイングには問題がなかった為、
ソックスはどんなものを使用したか聞いたところ、
女子高生が履いているルーズソックスを履いてスノーボードをしたとのことでした。
そこでこれからは、ソックスをチューニング時と同じものにして滑走してもらうようにアドバイスしました。
その後、ブーツを履いた時の傷みは無くなったそうです。
これは極端な例ですが、ルーズソックス以外にも3足¥980-のスポーツソックスや
山岳用の毛糸の分厚いソックスで同じような例がありました。
一足¥2.500~¥3.000のスノーボードソックスを、高いと思う方もいると思いますが、
その保温性と快適性は抜群ですし、長い間使うことができるのでよく考えれば、経済的だと思います。
これは体験した方にしか理解できないと思いますが、『たかがソックス、されどソックス』なのです。
 
セッテイングについて
ブーツチューニングを受ける際に必要なのが、上記にも書きましたが、ボードとバインディングです。
なぜブーツのチューニングにこれらのギアが必要なのか?疑問に思う方もいらっしゃいますが、
チューニングを受ける方のギアを見せていただくと、その方のライディングスタイルや、技術レベル、
知識レベル、滑走時の悩みまで分かってしまうのです。
私達は、それをもとにブーツをチューニングしていきますので、
チューニング時ギアが必要になることは、私達にとってとても重要なのです。
またギアを持って来て頂くと、フリースタイルでは70%の方が、
アルペンの方では実に80%の方がセッティングに何らかの問題があります。
滑走時の悩みや技術レベルが上がらない、足が痛いなどの悩みの多くがセッテイングにあり、
ブーツだけをチューニングしてもなんの解決にもならない場合があります。
また、間違ったギア選びをされている場合も多く、
もっとも多いのがバインディングのサイズ選定です。
これを間違ってしまうと、セッテイングに大きく影響するので、
ブーツのチューニング時にこれらを調整していくことが必要です。
上記の理由から、当店では最高のチューニングを満足して受けて頂きたいという考えから、
ブーツだけではなくトータル的にメンテナンスさせていただいています。
 
ブーツチューニングについてさまざまな質問がありますが、その中でも一番多い質問をご紹介します。
参考になさって下さい。
 
Q1:サーモインナーを再成形(焼き直し)したいのですが?
A:大変申し訳ありませんが、サーモインナーの成形のみのチューニングは承っておりません。
カスタムインソールを作成したうえで、そのインソールにあったサーモインナーの成形をさせて頂いておりますので、
持ち込みでサーモインナーのみの成形は承っておりません。
ただし、当店で以前にブーツチューニングをしたブーツのサーモインナー再成形は予約を受ております。
そのご予約の際は、以前にチューニングを受けた年月日と名前をお知らせ下さい。
もし、チューニングを受けた年月日を忘れてしまったら、
カルテを検索しますので、そのむねお知らせ下さい。
 
Q2:インソールやチューニングは本当に必要なの?

A:ブーツ購入時には簡易的なインソールが入っています。
(ライケルやDEELUXEなどの一部のメーカーは、カスタムインソールを作ることを薦めているので、
購入時にインソールが入っていないメーカーもあります。)
そのインソールは一型から作られたもので、あくまでも万人に向けて簡易的に作られています。
人間の足は皆違います。
侯が高い人や、幅が広い人、最近もっとも多い巻き爪や外反母子、過去に骨折をした人や、じん帯を損傷した人、
土踏まずがない方や軟骨が変形している方など、それぞれトラブルもかかえています。
ブーツの設計もそれぞれのメーカーで違います。
滑走するご本人のライディングスタイルによっても、チューニング方法は変わってきます。
また疲労感や足の痛みを訴える方もいらっしゃいます。
そういったトラブルを解決するには、インソールを作成したり、チューニングをする必要があります。
また、技術の向上を目しているユーザーにとって、ボードのチューニングはもちろん、
ブーツのチューニングはとても重要になってきます。
バランス感覚を良くしたり、脚力の強化はノーマルのブーツでは望めません。
また、快適なライディングを楽しむには、ブーツチューニングは必要不可欠です。
痛みを我慢したままのライディングは、楽しくありませんし、
フィット感がないブーツでライディングしても、技術の向上にはつながりません。
また、現在ブーツには悩みがないと思っている方でも、ブーツチューニングをすれば、
ノーマルのままのブーツとは、比べ物にならないことがおわかりいただき、
その違いを確実に感じていただけると思います。
Q3:他店で作ったインソールを作り直してもらいたいのですが?
A:
同じメーカーのインソールを使用していても、
作り手の技術力によって仕上がりは変わってきます。
作成する行程も、使用する部品や道具も違いますので、
他の方が作ったインソールの手直しをすることはできません。
当店のブーツフィッタ-は自分が作成したインソールの仕上がりに誇りを持っているので、
それぞれにサインを入れています。
自分が作成したインソールにプライドを持っているからこそ、
最高のインソールと技術を提供することができるのです。
Q4:インジェクションインナーのブーツをサーモインナーに交換できますか?

A:インナーをサーモインナーに交換することはできます。
もし、現在使用しているインナーに問題があるのならば、
そのインナーをチューンしてからでも遅くはありません。
もし、現在使用しているインナーをチューンしても悩みが解決されないのであれば、
その時サーモインナーに交換することを考えてみてはどうでしょう。
また、保温力などを高めるためにサーモインナーに交換したいということであれば、
数社のサーモインナーを取扱っていますのでご相談下さい。
Q5:ブーツチューンの際に、ブーツを買い替えたいのですが○○cmのブーツの在庫はありますか?

A:当店でブーツを購入していただく場合、足の実寸の測定等をおこない、
よりベストなブーツをお選びいただけるように務めています。
場合によってはアウトシェルとインナーのサイズを変えたりすることもありますし、
男性でも女性用のブーツの方が適している場合や、またその反対もあります。
ですから普段履く靴を選ぶように、
「○○cmのブーツ」という選び方は当店ではいたしておりません。
当店に初めて来店されるほとんどのお客様は、ご自分の足の実寸を知りません。
スノーボードブーツはスポーツをするための靴ですから、普段履いている靴とは違います。
よりベストなブーツを手に入れる為には、勝手に自己解釈したり、
サイズを決めつけたりせず、専門のスタッフに相談することをお勧めします。
Q6:どのくらい前に予約を入れたらよいですか?
A:
毎年ピーク時(10月、11月、12月)の週末は
2週間から3週間前に予約を入れないとご希望の日時を確保できない場合があります。
平日でも最低1週間前でないと、ご希望の予約を取れない場合もありますが、
キャンセル待ちもできますので、お電話、メールまたはご来店の際にお申し出下さい。
また、1月から3月の週末は1週間くらい前に予約を入れて頂けば、
ご希望の日時を押さえることができると思いますが、
ブーツフィッタ-が大会などで遠征することが多くなりますので、早めに予約を入れて頂くことをお勧めします。
Q7:チューン時にボードとバィンディングは必要ですか?
A:
ブーツチューニングの際にはご自分がお使いになっているセッティングのままで、必ずお持ち下さい。
ボード、バインディングとのバランスをみながらチューニングします。
また、ブーツをベストな状態にチューニングしても、
ボードやバインディングのセッティングが良くなければ、
せっかくのブーツチューニングが台無しになってしまいます。
間違ったセッティングや、ご自分のブーツやバインディングに合わないセッティングをされている方が多いのが現状です。
せっかくお金を支払ってチューニングするのですから、よりよい状態でセッティングするため、
トータルで相談されることをお勧めします。
Q8:どのくらいで出来上がりますか?チューニング時はその場に居なくてはいけないのですか?
A;
シェル出しなど特別な加工を必要とするケース以外は、当日仕上がります。
チューニングに必要な時間は約2時間~3時間です。
その間、依頼者にブーツを履いて頂き、フィット感やバランスを調整していきますので、
ご本人がご来店していただき、その場に居なくてはチューンすることはできません。
ですからご予約の際は時間に余裕を持ってご来店下さい。
 
 
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撮影;SOICHIRO”1GO”TANAKA